PHP5のインストール - PHP Note
PHP5のインストールは、セットアップウィザードを使う方法と、マニュアル(手作業)による方法の2種類があります。セットアップウィザードを試してみたところ、このページでやろうとしてる導入部分を自動でおこなうだけで、拡張モジュールのセットアップが面倒だったり、独自の拡張を施す時は結局手作業で設定しなければならず、ウィザードのメリットをあまり感じられませんでした。
頻繁にインストールし直すものでもありませんし、やればPHPの理解も深まりますので、マニュアルでインストールすることにします。
PHP5 の入手
Windows版PHPのバイナリファイルは、本家とミラーサイトのダウンロードページから入手できます。
- PHP: Downloads
- ダウンロードページの
PHP 5.x.x
のWindows Binaries
という記述下のPHP 5.x.x zip package
をクリックするとミラーサイトへのリンクページが開きます。日の丸のついた「 jp.php.net 」または「 jp.php.net 」へのリンクをクリックするとダウンロードできます。
PHP5のマニュアルインストール手順
マニュアルといっても、ファイルをコピーしたりテキストを編集したりと、ファイルやフォルダの基本操作が出来れば難しいことはありません。
1.関連ファイルをコピーする
まず、PHPをインストールするフォルダを作成します。管理しやすい任意のフォルダでOK。ここでは「C:\usr\local\php5
」を作成しました。
「php-5.x.x-Win32.zip
」を Lhaca や Lhaplus などで解凍し、C:\usr\local\php5
以下に全てコピーします。
コピー後のフォルダ構成は以下のようになります。(※抜粋してます)
コンピュータのBIOSを変更する方法C:\usr\local\php5
- PHPをインストールしたフォルダdev
ext
- PHP拡張モジュール用フォルダextras
PEAR
- PEARライブラリのフォルダphp.ini-dist
- PHP設定ファイル(オリジナル)php.ini-recommended
- PHP設定ファイル(推薦設定)php.exe
- CLI版PHP実行ファイルphp-cgi.exe
- CGI版PHP実行ファイルphp5apache.dll
- Apache1用APIモジュールphp5apache2.dll
- Apache2.0用APIモジュールphp5apache2_2.dll
- Apache2.2用APIモジュールphp5ts.dll
- PHPのコアモジュール
2.PHPの設定ファイルを作る
作るといっても php.ini-recommended
のコピーを作成し php.ini
という名前にリネームするだけです。php.ini
はPHPをインストールしたフォルダに置きます。つくるだけ作っておいて、具体的な設定もろもろは後ほど。
PHPの設定ファイルは2種類用意されています。php.ini-dist
はデフォルトの設定、php.ini-recommended
は推薦設定ということのようです。2つを比較してみると後者の方がより実用的な設定がなされていましたので、今回は php.ini-recommended
を使いましたが、デフォルト設定が良い場合は php.ini-dist
を php.ini
にリネームしてください。
3.環境変数 PHPRC を設定する
PHPRC
は php.ini
を探すデフォルトのフォルダを指定します。DSO版(Apacheモジュール用)・CLI版(コマンドライン用)それぞれ固有の指定方法がありますので必須ではありませんが、指定の無い時は PHPRC
で指定したパスを探してくれるので設定しておくとよいと思います。
マイコンピュータ
の プロパティ
を開きます。 詳細設定
タブ → 環境変数
をクリックすると環境変数のダイアログログが表示されます。 システム環境変数
側の 新規
をクリックして、変数名
に PHPRC
を、変数値
に C:\usr\local\php5
を記入します。間違いなければ [OK] をクリックしてダイアログを閉じます。
4.インストールフォルダにパスを通す
CLI版・CGI版・DSO版(Apacheモジュール)いずれもPHPのコアモジュール(php5ts.dll
)を必要とします。そこで各プログラムが php5ts.dll
を見つけられるよう、PHPのイントールフォルダを環境変数 PATH
に追加します。
また同じフォルダに CLI版の php.exe
も含まれているので、このフォルダにパスを通しておけば、どのカレントフォルダからでも CLI版の php.exe
を実行できるようになります。
マイコンピュータ
の プロパティ
を開きます。 詳細設定
タブ → 環境変数
をクリックすると環境変数のダイアログログが表示されます。 システム環境変数
の中で 変数
が PATH
のところを探してダブルクリックします。
すでに 変数値
には幾つかのパスが ";
" で区切って設定してあると思いますので、この最後に、;C:\usr\local\php5
追記し、[OK] をクリックして全てのダイアログを閉じます。
もし PATH
が無ければ、環境変数 PHPRC と同じ要領で、あたらに PATH
、C:\usr\local\php5
を設定します。
環境変数の編集後はPCを再起動します。
CLI版PHPの動作確認
ここまでの作業で最小限のインストールが終わってます。CLI版PHPはすぐに使える状態なので、試しに今インストールしたPHPのバージョンを確かめてみましょう。
コマンドプロンプトを開いて次のコマンドを入力し [Enter] を叩いてみましょう。
C:\> php -v
これで PHPのバージョンが表示されればOKです。
どのようにWMVファイルを編集するには?PHP 5.2.6 (cli) (built: May 2 2008 18:02:07) Copyright (c) 1997-2008 The PHP Group Zend Engine v2.2.0, Copyright (c) 1998-2008 Zend Technologies C:\>
もし「'php' は、内部コマンドまたは外部コマンド、操作可能なプログラムまたはバッチ ファイルとして認識されていません。」とか「ダイナミックリンクライブラリ php5ts.dll が指定されたパス...に見つかりませんでした」といったメッセージが表示されるようなら、「4.インストールフォルダにパスを通す」で指定したパスが、php.exe や php5ts.dll のあるフォルダを正しく示しているか確かめてください。
Aapache2.0 に PHPを組み込む
PHP を Apache のモジュールとして(DSO版PHPを)使うには Apache の設定が必要です。初期設定ファイル httpd.conf
と mime.types
に PHPの情報を書き加えます。この2つは、Aapache をインストールしたフォルダ直下の conf
フォルダにあります。
尚、編集した内容を反映させるには、Apache の再起動が必要です。
httpd.conf
httpd.conf
は Apacheの設定の核となるファイルです。まずは以下のようにPHPIniDir
と php5_module
を httpd.conf
の ### Section 3: Virtual Hosts
(924行目あたり)よりも前に書き加えます。"#" 以降行末まではコメントなので書かなくてもかまいません。
Include conf/ssl.conf # # PHP5: php.ini directory # PHPIniDir "C:\usr\local\php5" # # PHP5: Apache2.0 module # LoadModule php5_module "C:\usr\local\php5\php5apache2.dll" ### Section 3: Virtual Hosts #
PHPIniDir
は DSO版(Apacheモジュール用)の php.ini
のフォルダを指定します。DSO版PHPでは、先に設定した環境変数 PHPRC
よりも PHPIniDir
の値が優先されます。
LoadModule
は Apacheの起動時に読み込む拡張モジュールを指定します。ここでは php5_module
として C:\usr\local\php5\php5apache2.dll
を読み込むよう指定しています。
mime.types
mime.types
にはファイルがどんな種類のものか定義してあります。Mime-Type
というヤツです。本題と離れますがこの中に 「text/html html htm
」 という行を見つけることが出来ますのでちょっと探してみてください。拡張子が html
と htm
のファイルは HTMLドキュメント(text/html)
であることを定義している行です。おなじみのHTMLファイルのことです。Mime-Type
に合わせ Apacheが適切に処理をおこなっているので htmlファイルをリクエストすると該当のHTMLドキュメントを返して来るのです。
ApacheがPHPスクリプトを処理出来るよう、ファイルの一番最後に次の一行を書き加えます。
video/x-msvideo avi video/x-sgi-movie movie x-conference/x-cooltalk ice application/x-httpd-php php
httpd.conf
は Apacheの起動時に読み込まれるので、編集した時は Apacheの再起動を忘れずに。
PHPの組込み以降 Apacheの起動に失敗する場合は、httpd.conf
でおこなった「"C:\usr\local\php5\php5apache2.dll"」このパス指定が、実在する「php5apache2.dll
」を正く示しているか確かめてください。それでも失敗する場合はもう一度 「4.インストールフォルダにパスを通す」を見直してください。
DSO版PHPの動作確認
簡単なPHPスクリプトを用意しブラウザからリクエストして、PHPが正常に動作するか確かめてみます。
エディタに次のコードを入力し、test.php という名前で、DocumentRoot(ここでは C:\usr\local\Apache2\htdocs
)に保存します。
ブラウザのアドレス欄に次のURLを入力して、今作成したtest.phpをリクエストします。
PHP Version 5.2.6
と PHPのロゴマークに続いて、PHPの設定値や環境変数などの値が表示されれば、PHPが正常に組み込まれ動作しています。phpinfo()
はPHPの情報を表示する組込み関数です。
もしダウンロードを促したり処理を選択するダイアログが表示される時は、ApacheがPHPスクリプトの Mime-Type を認識できず、処理に困って未知のファイルとして出力しようとしています。mime.types
を見直してください。
phpinfo() で出力される情報には環境変数やプログラムのバージョンが含まれるので、誰もがアクセスできるディレクトリにこのようなファイルを置くべきではありません。もしレンタルサーバで phpinfo() を書いたファイルを置くなら認証をかけたディレクトリ下に置きましょう。
PHPのインストールはひとまず終了です。
今のところ「PHPが動く」程度の状態ですので、次は開発環境として使いものになるよう Apache と PHPの初期設定です。
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