Mac OS 8.5: SNMPとは何ですか?
Mac OS 8.5 には SNMP というコンポーネントが含まれていますが、これは何ですか?またこれで何ができるのでしょうか?
この記事は、OT/SNMP についての以下の質問について解説しています:
- SNMP とは何か?
- どのように SNMP を使うのか?
- SNMP を使い始めるには何が必要か? (システムの必要条件;必要なサードパーティ製ソフトウェア)
- 既に知られている問題
- より詳細な情報はどこで得られるか?
SNMP とは何か?
SNMP (Simple Network Management Protocol) は、もともと Internet Engineering Task Force によって、マルチベンダ環境のハードウェアで構成される大規模な TCP/IP ネットワークを運営する目的で開発されました。以来 SNMP はネットワークプロトコルに依存せずに動作するため広く普及し、現在ではマルチベンダーネットワークの管理デバイスのスタンダードになっています。
SNMP は、コンソールと呼ばれる、コンピュータ上で動く SNMP 管理ソフトウェアと、それぞれのネットワークコンピュータにインストールされる SNMP エージェントソフトウェアで構成されるネットワーク管理システムです。ネットワークコンピュータにインストールされたエージェントは variable という管理用の情報をコンピュータから集め、この情報を管理コンソールに送ります。
SNMP エージェントによって管理可能な variable は、MIB (Management Information Base) というデータベースの中で定義されます。MIB はそれぞれの variable が何をするものか、変更可能かどうかを指定します。MIB の中で、variable はテーブル (variable の集まり)や、グループに系統だてられることがあります。例えば、ハードウェアグループは、コンピュータ内部の拡張カードや、コンピュータに接続されている SCSI (Small Computer System Interface) 装置のタイプなど、コンピュータの物理的な部分を記述しています。インターフェイステーブル (iftable) グループは、マシン上のネットワークインターフェイスや、(適用可能なら)ハードウェアのアドレス、ネットワークスピード、ステータスについての情報を含んでいます。
コンソールと、一つあるいはそれ以上のネットワークコンピュータの管理上の関係は、communityと呼ばれています。一つの community はそれ独自の名前によって見分けられていて、その名前がコンソールを community の正当なメンバーとして認証します。一度コンソールが認証されると、管理されているコンピュータそれぞれが、そのコンピュータ上のvariableに対してコンソールが持つ、アクセス権 (read/write, read only, あるいはアクセス禁止)のタイプを決定しなくてはなりません。このアクセス権の variable の集合は、community viewと呼ばれています。
Mac OS 8.5 には SNMP ネットワーク管理システムのエージェントが付属しており(カスタムインストールが必要)、Macintosh コンピュータがサードパーティ製のコンソールによって管理されることが可能になっています。 Mac OS 8.5 のカスタムインストールに入っている SNMP Administrator は、ネットワークに接続されたそれぞれの Macintosh 上で作動し、個々の SNMP エージェントから様々な情報を集め、この情報をコンソールに送ります。
SNMP Administrator のプログラムは community のインポートやエキスポート、また MIB に集められているデータへのアクセス権の変更に使用することができます。
顔文字を書き込む方法どのように SNMP を使うのか?
SNMP はしばしば、大規模なマルチベンダーの環境を管理するために用いられます。ネットワーク本体からのデータは、トラブルシューティングやネットワーク管理のための所見を提供するために、集められ、分析されることが可能です。ネットワーク管理者は、ルータやブリッジのルーティングテーブルやトラフィックの統計を集めるために、SNMP を使用することができます。さらに彼らはトラップを仕掛けることもできます。すなわち、(サーバがダウンするなど)特定の出来事が発生した際に、コンソール上に警告(警告音、e-mail、ポケットベル発信など)を発せられるようにすることができます。
Macintosh エージェントからは、ネットワーク管理者はシステムソフトウェア、ハードウェア、TCP/IP 接続、AppleTalk 接続についての情報を収集できます。SNMP は非常に強力なツールですが、SNMP が返してくる情報のいくつかを解釈できるようになるためにはネットワークについてのかなりの知識が必要です。
SNMP を使い始めるには何が必要か?
ネットワークで SNMP を使うためには、ワークステーション上の SNMP agent ソフトウェア(Macintosh 用なら OT/SNMP )、サードパーティ製の SNMP コンソール、そしてそれらの間のネットワーク接続が必要です。
OT/SNMPのインストール
Mac OS 8.5 には、SNMP エージェントソフトウェアのインストーラが付属しており、それにはいくつかの拡張と、SNMP Administrator アプリケーションが含まれます。このソフトウェアは、カスタムインストールによってインストールできます。すなわち、Mac OS component でカスタムインストールを選択し、そこで再び Mac OS のカスタムインストールを行います (デフォルトの"簡易インストール"ではなく)。Mac OS 8.5 の"インストール方法"ポップアップメニューで"カスタムインストール"を選択し、次に表示される画面で"ネットワークソフトウェア"の下を開いて、SNMP を選択してください。
追加のヒント:OT/SNMP を使用するとき、TCP/IP をシステム起動時にイニシャライズさせる必要があります。そのためには、TCP/IP コントロールパネルを開き、コマンド+ U で、"詳しい情報も指定"モードに行き、"オプション"のボタンを押し、"必要な時のみにロード"というオプションを"切"してください。そしてワークステーションを再起動してください。
システムの必要条件:
OT/SNMP ソフトウェアは以下のものを必要とします。:
- Mac OS version 7.5.5 か、それ以降;
- OT 1.1.1 か、それ以降;
- OT 2.0 か、AppleTalk MIB II のアクセスに要求されているより新しいもの
- 最小 16 MB のメモリ
- 8 MB のディスクスペースの空き
- 68030 かそれ以上
- 680x0 コンピュータ上では CFM 68K が必要
SNMP コンソール
他に、データを収集、表示、また収集されたデータを分析するためのコンソール、つまり SNMP 管理ソフトウェアが必要になります。SNMP 管理ソフトウェアは様々なプラットフォーム上で作動します、しかし、Macintosh に対応できるものは数種類しかありません。インターネット検索を行って、SNMP 管理ソフトウェアを提供しているサードパーティソフトウェアデベロッパーを確認してください。この文書が書かれた時点では、 Dartmouth College が SMTP Watcher のデモバージョンを同校の web サイトに載せています。
このユーティリティは、SNMP エージェントが返すデータを見ることを可能にします。Dartmouth は、InterMapper という名前の、ダウンロード可能なコンソールも所有しています。:
Sonic Systems も、LANScape と呼ばれる製品を提供しており、同社の web サイトにデモバージョンがあります。:
既に知られている問題
SNMP エージェントソフトウェアがコンピュータ上にロードされるためには、TCP/IP のスタックがシステム起動時にイニシャライズされている必要があります。TCP/IP コントロールパネル(利用者モードで"詳しい情報も指定"を選択時)にある"オプション"ボタンをクリックし、"必要な時のみにロード"というオプションを"切"にしてください。
OT/SNMP は、MacSNMP と呼ばれる、"AppleTalk Connection Kit for the Macintosh"や"TCP/IP Connection Kit for the Macintosh."のコンポーネントとなっていた、Macintosh 用の初期バージョンの SNMP agent ソフトウェアに取って代わります。MacSNMP API を使用した拡張やアプリケーションはサポートされていないため、OT/SNMP API を使うことを見直す必要があります。
より詳細な情報はどこで得られるか?
SNMP と MIB の仕様の詳細は、RFC's (Request for Comments) でご覧ください。RFC's のインデックスは、で参照してください。
SNMP に関連するいくつかの RFC's には、以下のものが含まれています。:
- RFC 1213,"TCP/IP ベースのインターネットネットワーク管理のための情報管理ベース: MIB-II"
- RFC 1243,"AppleTalkの情報管理ベース"
- RFC 1643,"Ethernetタイプのインターフェイスのための、管理されているオブジェクトの定義"
- SNMP Version 1の仕様
- RFC 1155,"TCP/IPベースのインターネットのための情報管理の構造とその確認"
- RFC 1157,"単純なネットワーク管理プロトコル(SNMP)", RFC 1157.
付加的なサードパーティの SNMP ソフトウェアについては、以下の記事をご覧ください:
記事 9780: "Neon Software, Inc.(英語の情報です)
この記事はサードパーティ製品についての情報を提供しています。Apple Computer, Inc.は、その内容に対して責任を負いかねます。詳しい情報についてはベンダーに問い合わせてください。
以下の記事は、各ベンダーの住所や電話番号を検索する場合の参考となります。
Locating Vendor Information(英語の情報です)
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