ファイルの種類は、RAMを開いています
PC基礎講座
メインメモリ、或いはその周辺に話を戻します。
■ メインメモリの周辺
■メインメモリの性能
■速さとサイズ
CPUの性能はその速さで表し、単位はヘルツ(Hz)でした。
メモリは一般的には記憶出来るデータ量(メモリサイズと言います)でその性能を表します。 単位はバイト(byteとも書く)。
一般的には、と書いたのはメモリ性能には、メモリサイズの他、アクセスの早さ等の要素も有るからです。
メモリはよく作業台や机の大きさに例えられます。
メモリは半導体ですから、電源を落とすと保存されているデータはキレイに消去されます。
その為電源を入れた後、CPUが必要とするデータを随時ハードディスクからロードする必要が有ります。
メモリサイズが小さい場合、一度にロード、保存しておけるデータ量に限りが有り、必要に応じて一々メモリ内容を入れ替える必要が出て来 ます。 つまり、それまで開いていたアプリケーションやファイルを一旦閉じて(メモリから外して)からでないと、新しいアプリやファイルを開けない、と言うことが 出て来ます。
机が小さいと(メモリ搭載量が少ないと)、大きな書類や、カンバスを開いて置く 事が出来ないし、次の書類を開くにはそれまでの書類を一旦片付ける必要が有る、と言うことと同じことです。
■メモリ搭載量
ではどのくらい搭載すれば良いのか。 人によって考えが違うでしょうが、一応の目安を私なりに述べて見ます。
今、出まわっているパソコンは、最低でも512メガバイト程度は積んで売られているようです。 ワープロや表計算だけなら、これで特に問題は無いでしょう。
IllustratorやPhotoshopでも、使えない訳でも有りません。
しかしOSもアプリも、バージョンアップを繰り返すごとにドンドンメモリ喰いになってきています。
同時にメモリ価格も、変動は有るものの傾向としては安くなってきています。
2007年3月現在、512メガが、5千円位で買えるようです(但しこの価格は、SDRAMの場合で、RDRAMはこの倍位します)。
やはり今、これからパソコンの購入を検討する場合、最低で1ギガ、出来れば2ギガから4ギガ位を目安として搭載した方が良いでしょう。
■仮想メモリ
作業中、メモリが足らなくなると、一時的にハードディスクを、一部メモリ代わりに 使う、と言うことが起こります。これを仮想メモリといい、そう云う状態になることを、スワップすると言います。
これにより、メモリの不足を補える訳ですが、いくらハードディスクの回転が高速だとは言っても、電気的に信号のやり取りをするメモリに 比べ、格段に処理が遅くなります。 時々ならいざ知らず、しょっちゅうスワップを起こす様なら、メモリの増設を考えた方が良いでしょう。
コンピュータ上で音をカットする方法メモリ節約の方法として、グラフィックソフトならレイヤーを多用しない、取り消し回数の設定を少なくする、 等が有ります。
取り消しをする、と言うことは、前回の状態を記憶しておく必要が有る訳です。その分 メモリを消費します。 アプリケーションの環境設定で、取り消し回数の設定数を確認し、必要以上の設定数を 避けましょう。
■メモリの増設
メモリが不足した時、メモリを増設すると劇的にパソコンの性能が向上する場合が有ります。
メモリの増設は比較的簡単です。
とは言っても、ケースを開いたり、初心者にとっては有る程度の思い切りが必要ですが。
増設を試みる場合、気をつける必要が有るのは次の点でしょう。
- メモリの種類の確認
パソコンのメインメモリには、現在「SDRAM」と「RDRAM」の2種類が有り、これを確認する必要が有ります。 - メモリスロットの空きの確認
メモリスロットとは、メモリの差込ソケットです。
スロットの空きが無いと増設の余地が有りません。
パソコンを購入する際は、現在搭載されているメモリサイズの確認とともに、最大搭載可能サイズも確認しておきましょう。これはマザーボードに依存します。
スロットの空きが無い場合、現在搭載されているメモリを抜いて、よりサイズの大きいメモリに差し替えると言うことが出来ます。
しかし、この場合もスロットが対応しているメモリのサイズ以上のものは使えません。
メモリの増設が劇的な効果を示す場合が有る、と書きましたがそうでない場合も勿論有ります。既に充分搭載されている場合や、次に説明す る「システムリソース」の制約が有る場合等です。
■その他メモリの周辺
■バッファメモリ
■一時的な保存領域
一般にコンピュータで、CPUと周辺機器(モニタ、プリンタ、ハードディスク等)の間でデータのやり取りが生じた時、CPUからのデー タを一時的に保存しておくメモリ領域をバッファ、或いはバッファメモリと言います。
CPUと周辺機器のデータ処理を比べると、圧倒的にCPUが早いのです。その為、 周辺機器のデータ処理を逐一CPUが待っていたのでは、その間CPUが拘束されてしまうことになります。
CPUが高速処理したデータを一旦保存し、それによりCPUをそのタスク(仕事)から開放する為のメモリ、これがバッファです。
バッファに保存されたデータは、周辺機器の処理速度に応じて順次提供されます。
バッファは、システムのメモリを使用するもの、周辺機器にメモリを持たせるもの、或いは専用のハードを使うもの等様々です。
パソコンでは殆どシステム内メモリで対応しているので、ユーザーが意識することは余り有りません。
ポストスクリプトプリンタでは、プリンタ側にバッファを持たせています。
※ 画面上のドキュメントをプリントしようとしても、実際にプリンターがプリントアウトを始めるのに一定 のタイムラグが有ります。その間に画面のデータをバッファに保存しているのです。
しかし、一旦プリントアウトが始まると、画面のドキュメントを閉じてもプリントは継続します。
既にバッファにデータが保存されているからです。
このように、プリンタバッファ、キーバッファ、等色々有ります。
ディスプレー表示用のバッファをフレームバッファと言います。
■システムリソースメモリ
■64Kの制約
Windows(95、98、Me)の場合、メインメモリをいくら増設しても、有る程度以上になると有効に働かない、と言うことが起こ ります。
Windows システムでは、アプリケーションを開いたり、接続機器(外部デバイス)を使ったり、グラフィックを生成したりする度に「システムリソース」と言うデータ領 域のメモリが消費されます。このシステムリソースに割り当てられているメモリを「システムリソースメモリ」と言いますが、問題はWin9x(95、98、 Me)では、このシステムリソースメモリが(たったの)64キロバイトしか無いと言う事です。
実際は4ギガバイト利用可能なのですが、従来のMS-DOS、或いはWin3.0環境との互換の必要から、先頭領域の64キロバイトを その互換領域とした訳で、何かにつけてこの64キロバイトの制約を受けます。物理メモリ(RAM)をいくら増やしても、このシステムリソースメモリは変わ りません。
システムを起動する、スキャナを使う、アプリケーションを起動し使う、これらの度にリソースメモリが消費され一定の限度を超えるとシス テムがフリーズを起こす、と言う訳です。
Win95、98、Meとバージョンアップする度、色々な機能が付加され、結果的にメモリ喰いのシステムになってしまいました。特にWin Meは最悪です。それは開発担当者も言っています。
又、アプリケーション側にも幾分の原因もあって、Illustratorは比較的リソースメモリ喰いのアプリケーションだと聞いています。
■ 当面の対策
Win9xを使っている限り、どんなに物理メモリを増やしても、根本的な解決にはなりません。当座の対抗手段を書いて見ます。
どのようにプライベートサーバmoparscapeを作成する- 先ず一番にすることは、常駐ソフトを外すことです。
「常駐ソフト」と言うのは、タスクトレーに常駐しているソフトで、これは呼び出しもしないのに、システムを起動するだけで一緒に起動し、リソースメモリを 消費してしまいます。
特にMeの場合、これが多い。(メディアプレーヤー等)
又、オンラインでフリーソフト等をダウンロードすると、往々にして常駐型の場合が多い。
「驚速」「凄速」等のソフトも常駐する。
これら常駐ソフトを、「ウイルスワクチンソフト」等必要最小限の物だけ残し、全て常駐から外す。外しても、プログラムから呼び出せば使えます。 - 常にバックアップを取る。
いつフリーズするか分からないので、バックアップをこまめに取って置きます。 - システムを再起動する。
再起動により システムリソースが開放され、メモリ領域に幾らか余裕が出ます。時々再起動を掛けます。
等など。
■ 根本的対策
Win XPにバージョンアップすることです。
Win2000、XPは完全32bit対応で、64キロビットという制約から解放されました。
逆に言うと、古いデバイスやアプリケーションとの互換はもう考慮しない、と言うことでも有ります。
ですからバージョンアップにはそれなりの配慮が必要ですが、リソース不足による予期せぬフリーズからは、ほぼ完全に開放されます。
※ 現在既に大半のユーザーがXPに移行しているものと思われます。或いはVistaに移行しているユーザーも多いでしょう。
Windows使いにとっての最大の障害で有った「システムリソース」の問題も、既に昔話になりつつあります。
■メモリの階層構成
「メモリ特性」で触れた様にメモリは、その種類によって容量や早さ、コストが違います。それに伴いシステムでの使用場所や目的が違って きます。
■速度、容量、価格
■容量と速度の矛盾
CPUが演算・処理を行う為随時メモリにアクセスします。
その際、メモリ側の応答時間(アクセスタイム)が大幅に遅くては、CPUがデータ待ちの状態になり、その性能が生かせません。
本来はメモリもCPUと同じ速度(動作クロック)で動作し、なおかつ頻繁なアクセスに対応する為大容量である事が理想です。
実際にそれが不可能なのは、主に技術とコスト面での障害です。
CPUと同じ、或いはそれに近い速さを得るには、
-
CPUに近い事
-
サイズが大きくない事
などがあげられます。伝導経路が短いほど早く伝わる訳です。光のスピードで走る電流でさえ、距離、サイズが問題になるほど、今のパソコ ンの処理速度は高いということです。
しかし小さいサイズとメモリの「大容量」とは、矛盾します。
実現しようとすれば、著しいトランジスタ集積度が求められ、コストが膨らみます。
■CPUとの距離と容量
■階層構成
速度と容量の矛盾を解決する為、「メモリの階層構成」的手法を取ります。
CPUに近い部分に、容量は少ないが高速で、CPUとのアクセスタイムロスの無いメモリを置き、そこで拾えなかった場合は、次に近い部分に委ねる、と言う 形で何段階かの「キャッシュメモリ」を置く訳です。
CPUに近い順に書いておきます(容量は一部、2003年頃のデータです)。
-
レジスタ(CPUの1部)
CPU演算ユニットの直下。直接演算時使用メモリ領域
1KB~ -
1次キャッシュ(SRAM)
最近はCPUコア内に置かれ、内部キャッシュとも呼ばれる。
CPUクロックと同程度の動作速度を持つ。
16KB~128KB -
2次キャッシュ(SRAM)、或いは3次キャッシュ
最近は2次キャッシュもCPUコア内に置かれる。
32KB~8MB -
メインメモリ(DRAM)
数百或いは4GB、16GB -
ハードディスク(磁気記憶)
電源をを落としても記憶保持
数10GB~1TB以上 -
DVD-RAM/RW、CD-RW、MO等
バックアップ用、或いはデータ受け渡し用
※ キャッシュメモリ
カタログには、1次キャッシュ、2次キャッシュ等と言う記載が有ります。
キャッシュと言う言葉は本来、探検隊などが一時的に資材をしまっておく場所を意味します。
CPUが本来の性能を充分に発揮するには、アクセスするメインメモリが同じ程度に早く反応してくれる必要が有ります。
しかしメインメモリに使われているDRAMのスピードは、一般的にCPUに比べてかなり遅く、CPUの命令実行速度を下げる原因となっています。
そのスピード差を緩衝する為に、CPUとメインメモリの間に配置されているのが「キャッシュメモリ」です。
キャッシュメモリは、DRAMよりアクセススピードの速いSRAMを使用し、よりCPUに近い方から1次、2次とします。
最近は1次キャッシュ、2次キャッシュともCPU内部に配置されているものが殆どです。
CPUが1度アクセスしたデータは再度使われる可能性が高い、と言う考え方から、一時的にキャッシュに保存し、次回CPUが同じデータ にアクセスした際、メインメモリからではなく、キャッシュから提供すればCPUのデータ待ち時間を節約出来る訳です。
SRAMはDRAMに比べ、高速では有るが高価であり、キャッシュはメインメモリより遥かに容量は少ない。
キャッシュの容量が大きい程当然格納データ量が増え、CPUからのヒット率が上がり処理が早くなります。その分コストもかさみます。
しかしメインメモリと違い、キャッシュメモリは我々ユーザが通常増設などの手出しは出来ないし、従って初心者にとっては、あまり意識さ れることも少ないと思われます。
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